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新常識レッスン⑤:クラブは振り下ろさない『振り上げたら、また上げる』

  • 執筆者の写真: 孝幸 平井
    孝幸 平井
  • 7月20日
  • 読了時間: 5分

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手でクラブを振らない、2拍子スイングだと力が抜けていく

「もっと遠くへ飛ばしたい」「もっと強く当てたい」——。

そんな想いから、多くのアマチュアゴルファーは、トップからインパクトにかけて強く振り下ろそうとしがちです。

けれど私は、「ダウンスイングでは何もしなくていい」と伝えています。

なぜなら、ヘッドは自然に下りてくるものだからです。

◆ 「振り下ろす」意識がスイングを壊す

クラブというのは、長くて重たい道具です。

それを上から下へ動かす場合、自然な重力の流れに任せるだけで十分。

ところが、多くの人は「当てにいく」意識が強すぎて、軌道を乱したり、力んだり、地面を叩いてしまったりとミスを招いています。

ポイントは、アドレスとトップの位置が正しく取れているかどうか。

この2点を押さえておけば、クラブは軌道通りに下り、ボールにも自然とミートできるのです。

◆ 力の抜けたスイングは、クラブヘッドが「アドレスへ戻る」だけ

ゴルフスイングの最終目標は、「正確に・遠くへボールを飛ばすこと」。

そのためには、スピードをもってアドレスの形に戻ることが何よりも大切です。

アドレスでは、フェース面がターゲットにしっかり向いているはず。

つまり、スイング中にその形を崩さずに戻れば、自然とボールは真っすぐ飛ぶはずなのです。

ところが、「打ちにいく」意識で力を入れてしまうと、せっかくのアドレスが崩れ、ゴルフが一気に難しくなってしまいます。

◆ ダウンスイングでは「何もしない」スイングを

体をアドレスへ戻すために、余計な動きは一切不要です。

力を入れるべきはフォロースルーの加速部分。そこだけで十分ボールは飛んでくれます。

たとえるなら、車のコーナリングに似ています。

■ バックスイング → コーナー前の直線:アクセル全開

■ ダウンスイング → コーナーの入口:ブレーキでコントロール

■ フォロースルー → コーナー脱出:アクセル再び全開

つまり、「ダウンで力む」スイングとは、カーブでアクセルを踏み続けるようなもの。

速そうに見えても、結果はスピン、もしくはコースアウト(=ミスショット)です。

◆ 「上げて、上げる」2拍子でスムーズに

多くの人がやってしまう「上げて、下ろす」スイングは、どうしても“力むポイント”が入ってしまいます。

でも、トップからフィニッシュへ「もう一度上げていく」感覚で振れば、

力まず自然とヘッドが走り、スムーズに軌道を通ってくれます。

この“上げて、上げる”という2拍子スイングなら、スイングのテンポも崩れず、安定して振れるのです。

◆ 下半身の動きがすべて

スイング中、「腰を切れ」「足を使え」などと考えると、動きが複雑になります。

実際には、腰から下の動きに力の抜けたスイングの秘密があります。

軌道が安定せず悩んでいる方の多くは、「下ろすこと」を意識しすぎているケースがほとんどです。

むしろ、トップとフィニッシュという“2つの上げる地点”をしっかり決めることが大事。

その2点を結ぶだけで、クラブは自然と“正しいライン”を描いてくれます。

◆ 「逆再生」練習で身につける

このスイングをマスターするには、まずアドレスから始めるのではなく、フィニッシュから始めてみましょう。

1. まずフィニッシュの形をつくり、そこから逆戻しでトップへ

2. 何度か繰り返してから、トップ→フィニッシュのスイングへ移行

これを行うと、ダウンスイングで起きていた無駄な動きや力みに自然と気づけます。

「上げて、上げる」の感覚が体に染みついていくはずです。

◆ 伸び上がるようなトップで飛ばす

「上げて、上げる」ためには、腕の力に頼りすぎないことも重要です。

トップからフィニッシュへ向かうときに、腕だけでクラブを振ると、力みやミスが出やすくなります。

本来、クラブを動かすパワー源は足です。

クラブを重い荷物にたとえるなら、腕だけで持ち上げるのは非効率。

足からエネルギーを伝えることで、大きな動きとスピードが生まれるのです。

たとえば、ヒールアップで左足をダイナミックに上へ動かし、伸び上がるようなトップをつくってみてください。

そのまま左足を上げてフィニッシュまで持っていけば、大きなアークが生まれ、飛距離もアップします。

Q&A:さらに理解を深めるために

Q:なぜ「ダウンスイングでは何もしない」のが良いのですか?

A: 自然にクラブが下りてくる動きを邪魔しないためです。力んだ瞬間に軌道が狂い、ミスが生まれます。

Q:なぜ「上げて、下ろす」ではなく「上げて、上げる」なのですか?

A: 下ろそうとすると無駄な力が入りやすいからです。2拍子で「トップ→フィニッシュ」を一気に“上げる”意識にすると、クラブは自然に下り、振り抜きが安定します。

Q:下半身は使わなくていいのですか?

A: 下半身の使い方に、力の抜けたスイングへの道があります。ともかく力を抜いて、壁をつくらないようにします。すると足は自然と動きます。

Q:「逆再生スイング」はどんな効果がありますか?

A: 余計な動きを見直すのに最適です。トップ→フィニッシュの「上げるスイング」が自然に身につきます。

Q:飛距離アップには何が大切?

A: 大きなアークを描くことです。トップとフィニッシュを高くすれば、同じテンポでもより飛ぶようになります。

まとめ:スイングを変えるキーワードは「上げて、上げる」

・ダウンスイングでは「何もしない」

・クラブの自然な動きに任せる

・腕ではなく、体全体(特に足)を使って大きく振る

・スイングの鍵は、トップとフィニッシュの「2つの上げ」

この「上げて、上げる」2拍子スイングが身につけば、ミスは減り、飛距離は伸び、スムーズで美しいスイングが自然と完成します。

 
 
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