55歳からのスイング⑨:手打ちから身体打ちへ、あなたのスイングがガラッと変わる
- 孝幸 平井
- 8月9日
- 読了時間: 3分

「手打ち」から卒業すれば、飛距離もスコアも変わる
小柄な女子プロが、ゆったりとしたスイングで250ヤード以上飛ばす姿を見たことがある人も多いでしょう。一方で、多くの男性アマチュアゴルファーは、体格的にも腕力でも女子プロに勝っているはずなのに、「飛距離」だけはどうしても敵わない。これはなぜでしょうか?
理由は、「手打ち」と「全身スイング」の違いにあります。女子プロたちは、クラブという道具の性能を活かして、体全体を連動させる「全身スイング」で打っています。一方で、多くのアマチュアは、腕の力でボールを打とうとする「手打ち」になりがちなのです。
スイングの本質は、腕を速く振ることではなく、体のすみずみまでを連動させて、ヘッドの描く弧(アーク)を大きくすることにあります。アークが大きくなれば、それだけクラブヘッドがボールに伝えるエネルギーも増え、飛距離が伸びるのは当然の理屈です。
水泳にたとえると、「手打ち」は力任せの犬掻き。逆に「全身スイング」は、全身のリズムを活かしたクロールです。どちらが早く進むかは言うまでもありません。現代のクラブは、シャフトのしなりやヘッドの慣性モーメントなど、非常に高性能です。その恩恵を受けるためには、力むのではなく、全身でしなやかに振ることが重要です。
たとえば、練習場では「いつも同じ場所に置かれたボール」だけを打っていると、知らず知らずのうちに手打ちになってしまいます。球の位置を変えても、スイングで対応できるかどうか。それを確認することで、「全身スイング」へのシフトが進みます。
具体的には、ミドルアイアンで、スタンスや方向はそのままに、ボールの位置を少しずつ前後・左右にズラしても真っすぐ打てるようにする練習がおすすめです。これができれば、ライの変化にも強くなり、本番でもミスが減り、スコアも自然に改善していきます。
最初はミスショットが出ても気にせず、思い切り全身でスイングしてください。「芯で捉えること」にとらわれず、体全体で“気持ちよく振る”感覚を身につけることが何より大切です。
この「遠回り」に見えるプロセスこそが、飛距離アップへの近道であり、スコア改善への本当の王道なのです。
【Q&A】
Q1:なぜ女子プロの方が飛距離が出るの?
A1:彼女たちは、体の小ささを補うために、クラブの性能をフル活用した「全身スウィング」をしているからです。腕力に頼らず、アークを大きく描くことで効率よく飛ばしています。
Q2:手打ちになると、どうして飛距離が落ちるの?
A2:手打ちはスイングのエネルギーが腕だけに偏るため、アークが小さく、ヘッドスピードが上がりにくい。結果的にクラブの性能も引き出せず、飛距離もスコアも伸び悩みます。
Q3:全身スウィングを身につけるにはどうしたらいい?
A3:練習場では、スタンスや方向を一定に保ちつつ、ボールの位置だけを前後・左右にズラして打ってみてください。どんな位置でも真っすぐ打てるようになれば、全身が連動してきた証拠です。
Q4:ゆったり振って飛ばすって、本当に可能なの?
A4:はい。現代のクラブは軽くてしなりがあり、しっかり振れば自動的にヘッドが走ります。むしろ力を抜いて“ゆったりスイング”した方が、飛距離が出るケースも多いのです。
Q5:飛距離が伸びると、スコアにも影響ある?
A5:もちろんあります。1打目の飛距離が伸びれば、2打目以降が短くなり、ミスのリスクが減ります。スコアメイクも楽になり、ラウンド全体が安定します。