新常識レッスン②:力の抜けたスイングに不可欠なアドレスとは?
- 孝幸 平井
- 7月14日
- 読了時間: 3分
更新日:9月12日

ゴルフでナイスショットを生む第一歩ーーそれは、気持ちよくスイングできるアドレスにあります。
しかし、多くのゴルファーが、アドレスで「ピタッと止まる」ことで、かえって体の自然な動きを封じ込めてしまっているのです。
「止まって構える」ことに安心感を覚えるのは当然のこと。でも、本当に理想的なアドレスは、「止まらない」状態にあるのをご存じでしょうか?
中心感覚は“電車”の中にある
たとえば電車の中、つり革につかまらずに立っていられるとき、私たちの体は自然とバランスを取りながら揺れに対応しています。この無意識の反応——それが「中心感覚」です。
実はこの感覚、日常のあらゆる動作でも使われています。
歩く、物を持つ、棚から何かを取る……。私たちは常に“体の中心”でバランスを取りながら動いています。
でも、ゴルフになると突然難しく感じるのはなぜか?
それは、ゴルフでは両手をひとつにまとめて使うという、日常にない動作が要求されるからです。そして、静止することが多いために、自然な体の中心感覚が働きにくくなってしまうのです。
アドレスは「止まらず、動き続ける」もの
多くの人はアドレスでピタッと止まりたくなります。でもその瞬間、中心感覚を失い、体が固まるのです。
理想は、アドレスのときも体がわずかに動き続けていること。
「とはいえ、止まらないと不安…」
そんな人もいるでしょう。その場合は、以下のような小さな動きでOKです。
• クラブを軽くフォワードプレス(前方へ小さく動かす)
• 頭を少し揺らす
• 視線を動かして目の周囲の緊張をほどく
たった一瞬の「動き」が、体の調和を取り戻し、スイングのリズムをつくってくれます。やがてそのリズムは心地よい「円運動」となり、スイングはスムーズに回り始めるのです。
歩くように構え、歩くように振る
ゴルフスイングともっとも近い日常動作は「歩くこと」です。
歩くとき、どっしりと構えている人はいません。いつでもどこにでも踏み出せる、軽やかな“流れ”の中に体はあります。
アドレスも、実際に足を動かす必要はありませんが、「歩き出せそうな柔らかさ」を持つことが大切です。体を止めず、イメージの中でスッスッと前に進んでいるような感覚で構えると、自然とスイングへの流れも生まれてきます。
ボールは止まっていても「動いて見せる」
ゴルフボールは止まっている。
でも、それに合わせて体まで“止まってしまう”のがミスのもとです。
面白いことに、野球やテニスなど、動いているボールの方が人は自然に体を反応させやすいのです。だからこそ、ゴルフではイメージの中で「ボールを動かす」ことが重要です。
• ボールが左右にゆっくり動いている様子を想像する
• 自分の視界の中で、景色が流れるように感じてみる
• 雲や木を眺め、目線を少しずつ動かしてリラックスする
こうした視覚的なイメージが、体に“流れ”をつくり、スイングを「動きの中」で行うことを可能にしてくれます。
まとめ:アドレスは「構え」ではなく「スイングの始まり」
アドレスとは「構えること」ではなく、
〜スイングに入っていく“助走の動作”〜です。
ピタッと止まることで崩れるリズム、失われる中心感覚。
それを防ぐのが、体を止めない意識と、動きのイメージなのです。
止まるな、感じろ。
今日からあなたも、歩くようにアドレスしてみませんか?
心地よく振れるスイングが、きっとそこから始まります。
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