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新常識レッスン③:力の抜けたスイングに不可欠なグリップとは?

  • 執筆者の写真: 孝幸 平井
    孝幸 平井
  • 7月14日
  • 読了時間: 4分

更新日:7月15日


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私たちが日常の中で何気なくしている動作。

コップを持つ、本のページをめくる、スマホを操作する──。

多くは利き手だけでこなせるものです。

ところが、それらを両手で行おうとすると、なんだかぎこちない。

うまく動かない、力加減がずれる。そんな経験はありませんか?

ゴルフが「難しい」と感じられる理由の一つは、まさにこの“両手の協調”にあります。クラブを両手で握り、大きくスウィングするという動作は、私たちの生活にはない、極めて非日常的な動きなのです。

このとき求められるのが、“中心感覚”。

両手を体の中心で一体として感じられるかどうか。それが、快適なスウィングの鍵になります。

両手が“ひとつ”になる感覚

たとえば、電車の中で揺れたとき、人はバランスをとるために両手を広げ、左右バラバラに動かして踏ん張ります。これは人間に備わった自然な反応です。

一方で、ゴルフでは、両手をぴたりと揃えてクラブを握り、そのまま体を大きく動かします。つまり、バランスを崩しやすい状態のまま、スムーズにスウィングしなくてはいけない。だからこそ、「両手を体の中心で感じる」感覚が必要になるのです。

まずは簡単な確認方法を。

両手を胸の前で合わせて合掌し、体のセンターラインで手のひらがしっかり重なるかどうかを意識してみてください。それが、スウィングにおける“出発点”となる中心感覚です。

不器用な人ほど、上達が早い?

ちょっと意外かもしれませんが、実は不器用な人のほうが、中心感覚をつかみやすい傾向があります。

というのも、器用な人はどうしても利き手に頼りすぎてしまう。左右のバランスを無意識に崩してしまいやすいのです。

試しに、水の入ったグラスを両手で持ち、ゆっくり左右に動かしてみましょう。このとき、片方の手だけに力が入っていないか? 手がバラバラに動いていないか?

両手を一体化させて動かす練習を繰り返すことで、次第に体の真ん中で手を感じられるようになります。

たとえば、緊張すると右手と右足が一緒に出てしまうような“極端な不器用タイプ”の人。実は、そんな人ほど、ゴルフスウィングのような“両腕を同時に使う非日常の動き”にスムーズに馴染めることがあります。

力は「入れる」のではなく、「入ってしまう」

「クラブは力を抜いて握るものだ」とよく言われます。

けれど、飛ばそうと思ったら、それなりに力も必要になりますよね。

では、どうすればいいのか?

その答えが、“自然に力が入るグリップ”です。

力を“入れる”のではなく、“入ってしまう”状態をつくること。それが理想です。

ここで使いたいのが、手のひらの中心部です。

親指の付け根から小指の付け根にかけての、ふっくらとした“手のひらの丘”とも言える部分。ここが、自然な力の入り口になります。

たとえば、硬いステーキをナイフとフォークで切るとき、指先だけでは支えきれませんよね。しっかりと手のひらの中心で道具を安定させているはずです。

ゴルフでも同じ。

クラブを指先から握るのではなく、親指の付け根でグリップを支えるように添え、そこから指を巻き込む。これが、力が入る自然な握り方。

このように握ることで、結果的にストロンググリップになる人もいるかもしれません。でも大事なのは、形ではなく、手のひらが使えているかどうかなのです。

グリップに“遊び心”を持つ

グリップの“形”にこだわりすぎていませんか?

もちろん、基本形はあります。でも、それにとらわれすぎると、スウィングが硬くなり、身体全体を使った動きが阻害されてしまいます。

インターロッキング、オーバーラッピング、テンフィンガー。

どれが正解ということはありません。自分の身体に合っていて、無意識で握れること。それが何より大切です。

身長も、手の大きさも、指の長さも人それぞれ。クラブは体に合わせて選ぶのに、グリップだけが全員同じというのも、おかしな話ですよね。

だからこそ、グリップにも“遊び心”を持ちましょう。

いろんな握り方を試して、自分にフィットする感覚を探すことも、ゴルフの楽しさのひとつです。

まとめ:自然体のグリップが、自然体のスウィングを生む

ゴルフは、自分の身体と道具が対話するスポーツ。

「正しいかどうか」ではなく、「気持ちいいかどうか」が、グリップの基準になっていいのです。

中心感覚を意識し、手のひらで自然にクラブを包みこむように握る。

それだけで、スウィングは格段に楽に、そして気持ちよくなるはずです。

力は、入れるものではなく、入ってしまうもの。

そんな自然体のグリップを見つけたとき、あなたのゴルフは、もっと自由に、もっと楽しく変わっていくことでしょう。

 
 
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