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55歳からのスイング⑦:ボールを打つほど身体が喜ぶ、力の抜けたスイングとは?

  • 執筆者の写真: 孝幸 平井
    孝幸 平井
  • 7月27日
  • 読了時間: 4分
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■「今日イチのショットはいらない」


私はアマチュアの方に、そうよく伝えます。

なぜならゴルフは、ホームランを1本打てば勝てる野球とは違うからです。

18ホールすべてを通してスコアが決まる競技。それならば、一度の「快感」よりも、すべてのホールを淡々と、ミスを少なく回りきるほうが、確実にスコアメークにつながります。

ところが、ティグラウンドに立ってドライバーを手にした途端、多くのアマチュアは「飛ばしたい」という欲にかられます。見た目に長くて軽いドライバーは、つい腕の力で振りたくなってしまう。けれど、その“力み”こそが、すべてのミスの原因です。

たとえば、車を例にして考えてみましょう。トップギアで巡航する車を、2速ギアのまま全力で走らせたら、どこかでエンジンが壊れてしまいます。ドライバーショットも同じ。力むほど飛ばず、かえってスイングの「燃費」が悪くなり、終盤で体力が尽きてしまうのです。

■スタンスは「今から動き出すぞ」が正解

アマチュアにありがちなミスに、「ドライバーのときだけ、どっしり構える」という傾向があります。これは下半身を安定させようとするあまり、上体が緊張してしまう構えです。

しかし、本当に動けるスタンスとは、「動き出しそうな軽さ」がある構えです。ジャンプしようとしたとき、人は無意識に最もバランスのいい足幅を取ります。その自然な幅こそが、ドライバーにもアイアンにも共通する、しなやかなスタンスです。

スイングの力は、「入れる」ものではなく「入る」もの。つまり、自然に湧き上がるエネルギーを引き出すことが大切です。構えでガチガチに固まっては、体の連動が起きず、腕だけで振ってしまう「ぎこちないスイング」になってしまいます。

■背中で振る、身体で運ぶ

スイングで意識すべきは、「背中」です。腕で振ろうとすると、小さな筋肉に頼ることになり、すぐに疲れてしまいます。一方で、背中や体幹の大きな筋肉を使えば、楽に、そしてしなやかに力を出すことができます。

重い荷物を押すとき、腕だけでは動きません。でも、背筋を伸ばして腰を入れれば、驚くほど楽に動かせる。ゴルフもそれと同じ。背中主導のスイングは、見た目にも軽やかで、エネルギーのロスがありません。

構えのときは、ヘッドが一番硬く、腕に向かって柔らかくなるイメージを持ちましょう。身体が柔らかくなればなるほど、ヘッドスピードは自然と上がり、飛距離にもつながっていきます。

■おすすめドリル:「足を動かしてスイング」

最後に、しなやかなスイングを体得するためのドリルを紹介します。

アドレスしたら左足を一歩左に動かそうとします。左足の動きとともにテークバックをして、スイングしてみてください。まるで歩きながらスイングするような感覚になってきたら素晴らしいです。

この練習をすると、下半身を踏ん張る癖が抜け、自然と上体もリラックスし、脱力したスイングが身についてきます。

【Q&A】スイング脱力に関するよくある質問

Q. 脱力すると、ボールが飛ばない気がします。

A. 実はその逆です。力むとヘッドスピードが落ち、飛距離も伸びません。力を抜くことで、クラブが本来持っている性能を発揮し、結果として飛距離が伸びるのです。

Q. ドライバーのスタンスだけ広くなるのは悪いことですか?

A. 必ずしも悪いとは言いませんが、「構えただけで固まってしまう」ようなら要注意です。目安として、ジャンプしやすい足幅を意識すると、自分にとって最も自然で、しなやかに振れるスタンスがとれます。

Q. 背中で振るとは、どういうイメージですか?

A. 腕ではなく、肩甲骨周りや背中の筋肉を中心にクラブを動かす感覚です。意識としては、「背中でクラブを上げて、背中で下ろす」。結果として、スイングに力みがなくなり、再現性も高まります。

Q. 歩きながらスイングする練習に効果はありますか?

A. はい、非常に効果的です。足を止めずにスイングすることで、下半身が固まらず、体全体の連動が自然と身に付きます。力を抜いたスイングの感覚をつかむには最適なドリルです。

 
 
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