55歳からのスイングづくり①:「歩くように自然に」という新発想 ――力まずに遠くへ。「中心感覚」で変わるゴルフの世界
- 孝幸 平井
- 7月14日
- 読了時間: 3分
更新日:9月12日

なぜ電車で“スッと立てる”ときと、グラつくときがあるのか?
電車でつり革につかまらずに立っているとき、日によって安定感が違うと感じたことはありませんか?スッと立てる日もあれば、同じように立っているつもりなのにグラついてしまう日もある。
この違いは、身体の**「中心感覚」**が整っているかどうかで生まれます。中心感覚とは、身体の芯、つまり重心の“点”を捉える能力のこと。この感覚が磨かれると、ゴルフでも日常生活でも、無駄な力みがなくなり、驚くほど安定して動けるようになります。
小柄な女子プロがなぜ飛距離を伸ばせるのか
身長が160cmに満たない女子プロゴルファーが、250ヤードを超える飛距離を出すことがあります。これは、単にパワーに頼っているのではなく、最も心地よく振れる自分のバランスを見つけているからです。中心感覚を活かし、力まずに自然体でスイングすることで、飛距離は自然と伸びていきます。
力むな!ベストな構えは「歩くような感覚」
ゴルフのアドレス(構え)で、「下半身に力を入れろ」「どっしり構えろ」といった指導を受けることがあります。しかし、過度な力みはかえって中心感覚を妨げ、スイングを不自然にしてしまいます。
最も自然でバランスの取れた状態は、**「歩いているとき」**です。ゴルフでも、まるで氷の上でジャンプする直前のような、いつでも動き出せる軽やかさが理想的。テニスや野球でも、初動の構えは「軽く抑えた状態」であり、この準備が整った姿勢が最も効率が良いのです。
日常生活で「中心感覚」を鍛える方法
中心感覚は、何百球もゴルフボールを打つ必要はありません。日常生活の中で、誰でも簡単に鍛えられます。
電車でつり革を持たずに立つ練習 揺れに耐えながら最も安定した姿勢を探すことで、無意識のうちに重心を感じる感覚が磨かれます。
線の上をグラつかずに歩く・走る練習 地面に引いた線の上をブレずに進むことで、左右のバランス感覚や体幹が強化されます。
「2拍子スイング」で自然に飛ばす
多くのアマチュアが意識しがちな、「イチ、ニー、の〜、サン」と力をためる4拍子スイングは、身体への負担が大きく、力みの原因になります。
そこで提唱したいのが、「イチ、サン」の2拍子スイングです。トップ(引ききる)とフィニッシュ(振り抜く)の2点を意識し、足・頭・体全体を自然に動かしてスイングします。歩くようなリズムで力まずに振れば、ヘッドがスムーズに下り、結果として飛距離も伸びるのです。
ゴルフの本質は「歩くようなスイング」
「頭を動かすな」「ひざを固定しろ」といった、身体を”止める”ことに重点を置いたレッスンは、本来人間が持つ「動きながらバランスを取る力」を活かせていません。
中心感覚を磨き、自然に無理なくスイングすることこそが、楽しくラクに上達する一番の近道です。テクニックや筋力に頼らないこのスイングスタイルは、年齢や体力に関係なく、誰もがゴルフを長く楽しむことができます。
まずは、自分の身体の中心がどこにあるのか、意識することから始めてみましょう。
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