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55歳からのスイングづくり②:スイングに必要なのは筋力でも練習量でもなく「想像力」

  • 執筆者の写真: 孝幸 平井
    孝幸 平井
  • 7月14日
  • 読了時間: 3分

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ゴルフスイングのすべては、アドレスから始まります。

足の向き、膝や腰の角度、肩のライン……チェックポイントは山ほどありますが、実はそれらをすべて後回しにしてもいい、と私は考えています。なぜなら、〜本当に大切なのは「中心感覚」と「想像力」だからです。

真っすぐ歩けるのに、なぜアドレスでは歪んでしまうのか?

私たちは日常生活の中で、意識せずとも真っすぐ歩くことができます。

5メートル、10メートル程度の距離を蛇行しながら歩いてしまう人は、まずいないでしょう。これは、無意識に「中心感覚」を働かせてバランスを取っているからです。

ところが、クラブを握りボールの前に立った瞬間、その感覚が抜け落ちてしまう人が多く見られます。右に傾いていたり、前につんのめっていたり……本人は真っすぐ立っているつもりでも、実際には姿勢が崩れている。これは意識が「振ること」ではなく「当てること」、つまりボールを打つことに向いてしまっているからです。

歩くときのように、「目標に向かって自然に進む」という感覚をアドレスにも取り戻すことができれば、バランスの取れた構えは自然と生まれます。

アドレスは、スウィングの“設計図”を描く作業

よく「アドレスは家の土台だ」と言われます。どんなに見た目が立派な屋根や窓をつけても、土台が歪んでいれば家は長持ちしません。

それと同じで、スウィング前に足の向きや肩の角度といった細かい要素ばかりを気にしていても、本質的な準備とは言えません。

必要なのは、自分の理想とするスウィングを明確にイメージし、そこに自分の体を重ねること。それこそが、バランスの取れたアドレスを生む“設計図づくり”なのです。

スウィングする自分を、アドレス前に“見る”

アドレスの前に、次のような〜「呼び込み動作」〜を取り入れてみてください。

1. 目標を明確に捉える。

 「だいたいあの辺」ではなく、ピンポイントで見るべきです。

2. 目標からボールを逆再生で戻すイメージを描く。

 どんな球筋で、どんな高さで、どう転がってくるのか。できるだけ詳細に。

3. ボールの弾道と動きが自分の元に戻ってきたら、スウィングしている自分の姿を想像する。

 その姿は理想のスウィングをしている「もう一人の自分」です。

4. そのスウィングが描く軌道(スウィングプレーン)を輪のように思い浮かべる。

5. そして実際に後方からその輪の中に入り、「もう一人の自分」と重なるように立つ。

これが、アドレスに入るための本質的なプロセスです。目標、球筋、スウィング、自分の立ち位置……これらすべてを頭の中で明確に描いた上で構えると、自然と中心感覚も整い、迷いのない構えが生まれます。

プロにできて、アマチュアに必要な「再現性の高い想像力」

プロゴルファーは、毎回このようなイメージ作業をしているわけではありません。彼らは、日々の練習を通して、理想のスウィングが身体に染み込んでいるからです。

しかし、私たちアマチュアにとっては、この「イメージの呼び込み」がとても重要です。

ドライバーショットでもアプローチでも、構える前にしっかりと自分のスウィングをイメージし、スウィングプレーンを描く。その再現性こそが、ミスを減らす大きな鍵になります。

ゴルフ上達のカギは「想像力」

アドレスとは、スウィングの準備ではなく「設計図の完成」です。

真っすぐ立ち、理想のスウィングを重ね合わせる。この感覚さえつかめば、チェックリストに追われるアドレスから解放され、自然体で振ることができます。

ゴルフは、野球やテニスのように運動センスがすべてではありません。

自分のスウィングを再現する力、そのための「想像力」が、何よりも大きな武器になるのです。

 
 
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