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55歳からのスイング③スイング前に答えは出ている

  • 執筆者の写真: 孝幸 平井
    孝幸 平井
  • 7月15日
  • 読了時間: 4分


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「流れ」に乗ってスウィングする

プレショットルーティンを“生きもの”として捉える

「準備動作(プレショットルーティン)はなぜ必要なのか?」

そう尋ねられたら、多くの人はこう答えるでしょう。

「リズムを整えるため」「タイミングを合わせるため」「スウィングのイメージを描くため」——と。

もちろん、それらも大切な要素です。

けれど私は、こう考えます。

準備動作とは、“流れ”に乗ってスムーズにスウィングするための入り口なのです。

◆ 「リズムを作る」は正解。でも、それだけでは足りない

ワッグルを延々と繰り返したり、目標を凝視して動かないプロ。

あるいは、自分の世界に入りすぎて、奇妙なポーズをとっているゴルファー。

これらはすべて「リズム」や「イメージ」を重視した結果でしょう。

ですが、その過剰なルーティンが〜“流れ”を断ち切ってしまう〜としたら、それは逆効果です。

ゴルフは孤独な競技ではありません。

同伴者がいて、プレーの進行があり、風や光といった自然条件もめまぐるしく変わるスポーツです。

「自分だけのリズム」に固執しすぎると、かえってスムーズなスウィングはできません。

◆ 儀式ではなく、「生きもの」としての準備動作

柔道の試合を思い浮かべてください。

相手を無視して一方的に技を繰り出しても、うまくいくはずがありません。

睨み合い、組み合い、押し引きを繰り返す——すべては“流れ”の中での動きです。

ゴルフも同じです。

風が一瞬止んだタイミングを逃したり、同伴者がさっと打ったあとに自分だけが長々と素振りを繰り返したり……

それでは流れを台無しにしてしまいます。

準備動作は、毎回同じ「形」を繰り返すものではなく、〜その場その時の“流れ”に応じて柔軟に変化する“生きもの”〜なのです。

◆ スウィング前のチェック項目は「1つだけ」でいい

本番前にあれこれと技術的なポイントを確認したくなる気持ちはわかります。

でも、考えるほどに体はぎこちなくなり、スウィングは崩れていきます。

本当に大事なのは「無心」であること。

そのために、プレショットルーティンで意識するチェック項目は1つに絞るのがベストです。

頭が静まれば、体も自然と動きます。

◆ 「3球目の感覚」で打つ

「ミスできない」というプレッシャーは、私たちの準備動作を硬くしてしまいます。

そんなときは、こう考えてみてください。

「自分には3球あって、2球はミスしてもいい」

この“余白”が、無心のスイングを生み出します。

練習場では3球1セットで構え、1球目と2球目を“準備”として扱い、3球目にナイスショットを狙う。

本番では、ルーティンの中で頭の中で1球目・2球目を仮想スイングしてから実際のボールを打つ。

するとプレッシャーが和らぎ、自然体で振ることができます。

◆ スローモーションでボールをイメージする

素振りをするときは、打ち出されたボールのイメージをしっかり持ちましょう。

ただし、リアルタイムではなく、スローモーションで。

ボールがゆっくり回転しながら飛んでいく姿を、鮮明に頭の中で描いてください。

そのイメージの「残像」が残っているうちに、本球を打つ——それが最高のリズムと集中力を生み出します。

雑念が消え、無理なく、気持ちよく振ることができるはずです。

◆ Q&A “生きもの”としてのルーティンに関する疑問に答えます

Q1. 準備動作は毎回同じでないとダメですか?

A. 状況に応じて変えてOKです。

「形」に縛られるほど、“流れ”は断ち切られます。

風、気温、同伴者のスピードなどを見て、柔軟に簡素化する判断力もまた、実力のうちです。

Q2. 素振りはどんな意識でやればいいですか?

A. ボールの飛び出しをスローモーションで想像してください。

ボールの回転、放物線、その先の落下地点まで、ゆっくり・丁寧に描きましょう。

残像を残したまま打てば、スイングは自然とイメージに引っ張られます。

Q3. チェックポイントが多すぎて混乱します……

A. 本番では“1つだけ”にしましょう。

練習では複数OKですが、本番で体は一度にたくさんの指令を処理できません。

「今日はこの一点」と決めることで、余計な雑念をカットできます。

Q4. 緊張して体が固まってしまいます……

A. 「3球目の感覚」を再現してください。

1球目・2球目を“仮想スイング”として頭の中で済ませておき、

3球目をリラックスして振る——そうすれば、肩の力も抜け、自然体で振ることができます。

 
 
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